知っておきたい遺産相続に関する豆知識

相続放棄に関して

■ 63歳 男性
相続放棄に関して、基本的には、生前にその手続きをする事は出来ないようになっています。よく、生前に相続させたくない被相続人に対して、「私は相続する権利を放棄します」という念書を書かせる人がいますが、これを書かせたとしても、実質的にその効果はないのです。

我が家でもこの過ちを犯してしまったのですが、全く両親の面倒を見ない兄妹に対し、この念書を書かせたところ、父が亡くなった時に、効力がないという事実を知りました。
但し、あくまでも法律的に効力がないということであって、決してこの行為が無駄になるとは言い切れない部分があります。
まず、仮に私の兄妹が弁護士に相談し、何とか正当な相続分を主張したいと言ったのであれば、これはどうしようもない事となったでしょう。
しかし、我が家のケースでは、兄妹が弁護士を雇うことなく、生前に書かせた念書に効果がないという事実も知らなかったため、父が亡くなった後に家庭裁判所に相続放棄の手続きに行きました。
もう自分には権利がない、そう念書を書かせた時点で観念し、スムーズにことが運んだのです。

念書を書かせる際、何故相続の放棄をお願いしたいのかを父から聞いたことも、これに従った大きな理由となりました。
面倒の全てを、長男である私たち夫婦にまかせっきりで、ろくに顔も見せないのだからという父の言葉は、兄妹の経済的余裕の助けもあってか、すんなりと受け入れてもらえる要因となりました。

このように、最終的には法に則って手続きを進めることにはなりますが、当事者同士での決め事、心情といった点も、遺産相続においては大きなポイントとなりますので、機会を見つけ、できるだけ生前に話し合っておく必要があると思われます。
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